フレーベル恩物特集
「恩物」とは…
子どもたちが楽しく遊びながら、表現力や認識力、想像力を自然に学べるような教具を。 世界最初の幼稚園を創設したドイツの教育学者フレーベルのそんな願いから、教育遊具「恩物」は生まれました。 シンプルな色と形の構成の中に、計算しつくされた学びの設計。子どもたちが実際に、握ったり、転がしたり、積み上げたりして、楽しみながら学んでいける教具です。
子どもたちが自分の力で学んでいけるように。シンプルな構成の中に、たくさんの思慮が隠れています。
遊びが関連しながら発展できるように
●基本的な形と色で多様な遊びを展開
恩物は、第一恩物〜第十恩物を通して、子どもたちが楽しく学びながら、創造的な表現活動を展開できるように考案されました。6色の球体で構成される第一恩物から丸い粒で構成される第十恩物まで、それぞれはすべてシンプルな素材を使った、シンプルな形でできています。だからこそ、形や大きさの関連性を、楽しみながら学ぶことができます。
「ぴったり合う」ということで、自ら発見できるように
●基尺の考え方とそれを実現する加工精度
恩物は、基本となる立方体の辺の長さが3cmを基準として、構成されています(3cm基尺と呼ぶ)。すべてが3cmに関連する寸法になっているので、いろいろな形を組み合わせることができ、遊びをどんどん発展させることができるのです。また、多様と統一の中で新たな発見ができるよう、きちんと合うことを大事にしています。そのため、恩物では正確な寸法で作ることを重視し、最高の加工技術を駆使しています。
前の形の体験を発展させて、次の形の活動につながるおもしろさを学べます
●恩物の基本的な考え方●
丸・三角・四角の基本的な形体から成り立っています。
赤・黄・青・緑・紫・橙の3原色3補色を基本の色としています。
それぞれの寸法が体系的に構成され、互換性をもっています。
発達段階に応じたさまざまな遊びができます。また、それぞれを組み合わせることで、遊びが展開できます。
第一恩物は、形体の基本として、また、精神的には理想の象徴として「球」を選びました。これは、子どもの最初の出合いの遊具として、生まれたばかりの乳児から与える遊具として用意されたものです。そのため、第一恩物はやわらかい材料でつくられています。
第二恩物は「球」「円柱」「立方体」の三体を選び二者識別をテーマにしています。 まず、「球」を十分に認識させ、比較しながら、「円柱」「立方体」へと紹介します。そして、それぞれの形体のもつ性格を知り、新しい要素を発見させながら、基本形態を認識させます。「球」は、完全な形として明確に理解するようにします。「立方体」は、すべて平らな面であり、まっすぐな縁をもち、新しく角があるということに気がつきます。
第三〜第六恩物は、 第二恩物で経験した立方体を取り出し、さまざまな形の変化を知ります。
第七恩物は、面を表す色板です。形は正方形と四種類の三角形、円、半円の7種類です。色はそれぞれ表と裏に施され、第一恩物の色と同じ、赤・黄・青・緑・紫・橙の6 色と、白と黒の8色になっています。図案や、色の組み合わせによって、美的観念の高揚と調和を目的とした内容です。それぞれの形と辺を合わせて、長い、短い、どれが同じ、または、どれとどれで同じということを認識させます。模様遊び、順列遊び(色の順列・形の順列)、集合遊び(色の集合・形の集合) をします。
第八恩物は、直線を表す棒です。棒は3cmの倍数で、5種類用意されています。 他の恩物と比べて遊びます。数遊びや図案遊びや長さの違いを生かした発展模様の遊びをします。線は、物体の輪郭を把握し、印象を具体化して、自己のものとして表現する訓練となります。
第九恩物は、曲線を表す環です他の恩物と比べて遊びます。図案遊びや発展模様の遊びをします。物体の輪郭を把握し、印象を具体化して、自己のものとして表現する訓練となります。
第十恩物は、点を表す粒です。粒によって位置の存在を知らせることと、集合して線をつくり、面をつくることを認識させます。位置は2点で線が生まれることを知らせます。点は3点以上で、面をつくることを知らせます。集合した点の移動で、形が変化することを知らせます。
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