小学校での学習の基盤となる「ことば」「かず」「くふう」を育てる就学準備ブック
かんがえる たのしさ いっぱい! キンダーまなびきっず【2018年3月号】 対象年齢:5歳 6歳ごろ(年長児向け)
幼児期の完成の時期といわれる5歳児の1年で、小学校での学習の基盤となる
「言葉や数量の基礎力」「工夫するために考える思考力」を しっかりと育てたい!
という声に応える就学準備ブックです。
監修/無藤 隆(白梅学園大学) 指導/白川佳子(共立女子大学)
イラスト/かいちとおる DTPデザイン/クラップス
● ことば(言葉・文字)
【 文作り 】
絵を見ながら「いつ」「だれが」「どこで」「何をした」という文作りに取り組み、文の構造に親しみます。
「楽しそうなお話の絵が描いてあるけれど、お話の文字が書いていないね。いつ、だれが、どこで、何をしたのかな?
考えながら、お話を作ってみよう」と誘います。
ことばシールを見ながら迷ってしまう場合は、「太陽がカンカン照りで、暑そうだね。カブトムシもいるよ」
「はっぱが黄色くなっているね。落ち葉もあるよ」「雪が降っているね。寒そうだね」などと、
ヒントになるような声をかけながら、いっしょに考えていくとよいでしょう。
【 小学校へのつながり 】
基本的な文構造を理解することは、話す・聞く、書く、読む力の基礎となります。
日常の会話でも、「いつ」「だれが」「どこで」「何をした」を意識して話せるとよいでしょう。
● かず(数量・図形)
【 たくさんの数 】
10より大きい数について、10を単位としたひとつのまとまりを意識しながら、大きい数をかぞえることに親しみます。
「みんな集まってきたね。何をして遊ぶのかな。サッカーやドッジボールをするのかな。
でも数がわからないと遊べないよね。どうやってかぞえたらいいかな」と誘ってみましょう。
「10ずつ線で囲んでグループにしてかぞえるとわかりやすい」「絵の横に順番に番号を書いていけばいい」などと
お子さんからアイデアが出るかもしれません。
お子さんのアイデアを採用してかぞえたあと、最終的に10ずつのまとまりを意識できるような声をかけるとよいでしょう。
【 小学校へのつながり 】
10を単位としたまとまりを意識することは10進法の理解につながります。
ほかにも2とび(2,4,6,…)や5とび(5,10,15…)のかぞえ方にも親しんでおくとよいでしょう。
● くふう(思考・創造)
【 まとめ 】
これまでに学んできた「判断」「図形構成」「図形展開」のおさらいをします。

「タコが影になっちゃったよ。どの影が、絵と同じタコかな?」と声をかけます。
慌てて選んでしまった場合は、「それでいいかな?」と、もう一度考えるように声をかけてみましょう。
似ているものや間違いやすい答えがあります。
選んだものについて、「どうしてそう思う?」と思考を言語化するような声をかけてみるとよいでしょう。
どうして選んだのか、うまく言えない場合は、「足の長さが違うのかな?」「本数が違うのかな?」と誘導してもよいでしょう。
【 小学校へのつながり 】
部分と全体、線の長さと向きなどに着目し、一つひとつ注意深く取り組めるようにしましょう。
粘り強さ、集中力など、学校生活に必要な基礎的な力を養うとともに、
点、線、面、対称など、図形学習の内容理解にもつながります。
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